つながる*noyama

焼岳*上高地へ  -part 1-

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春と呼ぶにはまだ浅い三月の始め
山の上は春どころか
まだ雪深い真冬の山だった


空気は出来たばかりの薄氷のように清く
ピン・・・と張り詰めている
雲ひとつない空は どこまでも青く澄み渡っていた。








3/4 sat


中央道から長野道へと繋ぎ 松本ICをout
国道158号を上高地方面へと走る

夏から晩秋までのこの道は
北アルプスの山を求めて深夜でも沢山の車が走る。
上高地方面への最後のコンビニの駐車場は
週末となれば夜明け前でも満車に近いくらい車が止まるほどだ。
それなのに今日は静まりかえっている。
こんな静かな158号線は初めてかもしれない。



朝食と昼食用にパンを買い求め、再び車を走らせる。
白々と夜が明け始める頃
中の湯温泉へのゲートに着いた


ゲートを開き安房峠への旧道へ入る
それまで国道には雪らしき雪は全くなかったのに
ゲートをくぐった途端、辺りが白くなる。
春から冬へ 時計の針を逆回転させたかのよう。


慎重に、でも快適に
スルスルと車は雪の坂道を登っていく。
十数分走ると中の湯温泉の駐車場に着いた。
車を止め、見上げた先には
たっぷり雪を被った温泉宿が佇んでいた。



今日は焼岳へと登る。
準備を整え車外に出ると
日の出の頃の空気はピリリと刺すほどに冷たい
靴の紐を丁寧に結び直したら出発。


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宿の裏手から振り返ると
神々しいほどの朝陽に輝く穂高が見えた。








一歩進むたびに腿まで埋まるフカフカな雪
さすがにツボ足は無理だろう
ワカンをつけて。




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柔らかな日差しが森へ届く中
登山口を出発
この登山口の反対側には無雪期は駐車場となっている
そこも今はひっそりと雪の中




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冬道は直登が多い。



秋にここを訪れた時
大して苦労もせずに登った記憶しかないのだが
今日は違う
一歩踏み出すたびに体力の消耗が夥しい。
RPGのゲームならベホイミ、いや、ベホマくらいは唱えたいところだが
魔法使いではないので薬草の代わりにチョコを一つ頬張る




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雪景色に癒され
遠くの白い頂を見て癒され
ここを歩ける喜びで一歩一歩進んで行く



途中、
トラバースがワカンだと怖くて
アイゼンの方が気持ちに余裕が生まれそうなので
ワカンを外す。



もちろん、
その後は腿まで埋まるのは覚悟の上。




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秋に歩いた記憶の紐を解き
岳樺が遠くに見えると広場が近いことがわかる



空が近くなってくる



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焼岳見えた…






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樹林帯から抜けると
目の前には雪を纏った焼岳が。



ここは風も穏やかでフワフワの雪は
摘みたての真綿のように柔らかだよ




嬉しくて嬉しくて
ノートレースに足跡を残していく




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by mt_kawamin | 2017-03-30 19:00 | 山登り