つながる*noyama

丹沢主稜縦走

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山へ行く目的って少なからず何かあると思う。

例えば…
「あの花に逢うために」
とか
「◯△岳のピークに立ちたい!」
とか
「兎にも角にも山の中に入って癒されたい!」
とか。
*
*
*
私もいつもそんな風で、というか
大層な目的って感じでもなく、ゆるゆるっとしたものばかり


そんな私でもちょっぴりドキドキするようなそんな山行をしたいと思ってたりして。
尤も、大きなチャレンジはいつも諸事情によって次年度へ繰り越しがほとんどだけれど
大キレット、唐松岳〜白馬三山、馬蹄形、黒戸尾根日帰りなど幾つかある中
そんな中で一番チャレンジしやすい縦走を今年こそ!
と鼻息荒く決行した訳である。

日帰り丹沢主稜縦走である




健脚自慢のみなさんならいざ知らず、
標準CT12時間のタイムは私にとって決して容易くはない。
途中で歩けませーーんなんて言う訳にもいかない。
帰りのバスにも間に合わなくちゃならないし…。
決行する日はいつにしようか?
出来るだけ条件のいい日がいい。
ヒルが現れるようになるとやっぱり嫌だから暑くなる前がいい。
土日休日の丹沢は大倉尾根なんてぞろぞろ列をなして歩くんだから。
西丹沢方面にしてもそうだ。
きっと最後の方はヘロヘロになることは間違いなく、
しれっと澄ました顔で下山する自信は全くない。
ヨレヨレな姿を人に晒すのも嫌だ
それならば人の少ない平日を狙って歩こう。

4月6日(水)


出発は大倉。
真っ暗な登山道を歩くには、やはり歩き慣れたルートの方がいいし
真っ暗なツツジ新道から滑落!だなんてごめんだ。という理由からだ。


3:30 大倉出発

予定より30分遅れで出発。
ヘッデンを点けて歩き出す。
既に歩き始めから眠い。起きたばかりなのに眠い。
辺りが暗いとどうにもこうにも眠さを抑えられない質なのである。
それでも見晴茶屋を過ぎる辺りまではまだよかった
その後は眠くて眠くてフラフラになる。



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東の空がじんわり明るくなっても
瞼は自然と落ちてくる。

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堀山の家へ着き水分補給しておむずびをもう一つ。



そろそろ夜明けだ。





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木々の間から覗き込むように光が少しづつ広がって
そう思っているとその光はあっという間に大きくなって
東側の木の間から眩しい程の光が射し込んでくる
戸沢への分岐辺りまで来ると頭上はすっかり明るい
瞼が開いてるような、半分閉じてるようなそんな状態で
花立山荘までの階段をフラフラと登っていく。






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6:11 花立山荘着


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ここへきて目が覚めてきた
塔の岳までは後少し 水分補給だけしてまた歩き出す。



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大倉〜花立山荘間のCTは今まで歩いてきた中で一番時間が掛かってしまっている。
眠くてフラフラしながら歩いていたせいだ。
少しでも巻き返すべく一気に塔ノ岳まで登り詰める。




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霜の降りる、まだ寒い4月の早朝
滑らないように。


塔ノ岳への最後の階段を登りつめて
振り返ると海がキラキラ




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6:51 塔ノ岳 登頂





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人の居ない塔ノ岳の朝
冷たい空気の中に佇むそれだけでそれは気持ちよくって
塔ノ岳からおはようのTweet





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さて行こうか。




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塔ノ岳から蛭ヶ岳までの稜線歩きが大好きだ。
自然と足も軽くなる
特に今日は東からの朝陽が光と影を作り、それがとても美しい。
眠気もすっかりなくなって快適な稜線漫歩が始まる。




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いつもなら何度も立ち止まって沢山写真撮って
ここの風景を楽しむのだけれど
今日のゴールは遠い、まだ行程の半分も歩いていないのだから





8:11 丹沢山 登頂




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ここでエナジーチャージ&休憩
ちょっとお腹が痛くなったりして20分程休憩とする。



空が碧い
コバルトブルーの空が気持ちを高揚させる
後押しをしてくれる。


8:32 丹沢山 出発


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私が知っている丹沢の中で一番好きなトレイル
丹沢山から蛭ヶ岳への笹野原を縫うようにupdownしながら歩く




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ここを歩けるだけでも嬉しくて顔は自然に前を向く
目は遠くのむこうの山を見る
この場にいられることを幸せだなぁ
なんてことを思いながら歩いている。





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振り返ってみては

おぉぉ、もうこんなに歩いてきたよー

なんてことを思いつつ笑顔になっちゃって。




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不動ノ峰を過ぎると富士山も目の前に蛭ヶ岳もドドーーンと。
これがたまらんのです。
富士山は裾を長く引く山容が綺麗だし
蛭ヶ岳へ続く笹の中の一本道がうねりながら延びてるのも。




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ここから眺める富士山と南アルプス
気持ち良すぎてゆっくりしたいのを我慢して先へ。
この辺りでやっと今日の行程の半分を過ぎて少しホッとするところ。



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棚沢ノ頭を過ぎれば鬼ヶ岩、そのむこうに蛭ヶ岳。







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鬼ヶ岩に取り付く。
名前だけ見聞きするとちょっと怖そうだけれど
気をつけて下りれば何にも怖いことはない。


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鬼ヶ岩を下りれば、目の前には蛭ヶ岳山荘もすぐそこに見える。
笹野原の間の木道を登り返していく



10:20 蛭ヶ岳 登頂




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わたしにとって、今日の核心部はこの先のルート。
蛭ヶ岳からの大下りと幾つかの登り返しが疲れた身体に鞭打つこと間違いないので
山頂で休憩とってから西丹沢教室までのエネルギーをチャージ。



前日に尊仏山荘に泊まってたという団体の方々から

今日はどこまで?
えーー日帰りで?
でも、車も二人でなら安心ね
えーー??奥さんは後部座席に座ってるの???
え?社長待遇???w
え?・・・で寝て帰る???
あっ・・・でも一緒に乗ってるだけでもねっっww


そんな楽しい会話をさせて貰い
すっかりリラックスしてから皆さんにエールで見送られ出発♪


10:43 蛭ヶ岳 発


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これから歩いていく山々
一旦、ぐぐぐと下るのだが、どこまで下るのかまだ見えない。



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蛭ヶ岳からの下りはザレた登山道は滑るし狭いし気を抜けない
まだかまだか?と思うほど長くて
西丹沢教室からだと登りがきついだろうなぁ
と思いながら下りていく。
やっと鞍部まで下りホッとしても、今度は登り返しが待っている。



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蛭ヶ岳から下り、登り返してミカゲ沢ノ頭へ
また下って登り返して次は臼ヶ岳へ
下ったり登ったり、ブナの原生林のふかふかなトレイルを歩いてホッとしたり。
振り返ってさっきまで歩いてたところが遠く、遥か高いところにあるのを確認したり。
でも檜洞丸はまだだいぶ先なのである。
道標に「檜洞丸 2.6km」とある。
普通なら「あと少しね」と思うところなのに
まだそんなに…と思ってしまう。

ここへきて疲労がどっと押し寄せてきたからだ。
次の目標は神ノ川乗越、越すって言うくらいだから当たり前だけど
また登ったり下ったりする訳で
更にその先には金山谷乗越もあって、その先やっと檜洞丸への登り返しに取り付く訳である。

あぁ、もうめまいがしそう
登るのはいいけど下るのもう止めて。
もうどっちかにして欲しい

とか、いろんな思いが頭の中をグルグル…



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檜洞丸までのトレイルが痩せた尾根や崩落しそうな箇所があちこちにあり
それはそれで疲れててもその状況を楽しんでたりして

まぁ、そんな風だから歩いていられるんだろうなぁ


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金山谷乗越を過ぎればあとは檜洞丸までへ登るだけだ
重い足を一歩一歩。
まるで牛歩のようなのろさで登っていく。

もう少しで青苔山荘というところで
登山者に声を掛けられる。

どちらからですか?
何時間くらいかかりますか?
きついですか?


その質問に答えるのも面倒だった
頼む、わたしお疲れです。察して〜
と思ってるくせに、ちゃんと答える律儀なわたしである。




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13:35 檜洞丸 登頂



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ヤッタ〜〜!!着いた〜〜〜!!
これでもう登らなくていいんだ〜〜


行動食を食べ水分補給してホッとする。
けれど、登頂したってここがゴールではない。
まだこのあとツツジ新道を経て西丹沢教室までの長いくだりが待っている。


うんざりするほど長い西丹沢教室までのトレイル。
そこへたどり着くまでの行程が今日一番きつい行程だった。




西丹沢教室へ着いてトイレを借り出てくると
先ほど青ヶ岳山荘手前で話しかけられた方と再開。
少し会話をしていると西丹教室のスタッフの方に

「今日は大倉からでしたか〜お疲れさまでした(^^)」

と労いの声を掛けて頂いた。
それがとても嬉しかった。


歩き終え新松田駅行きのバスに揺られながら
ひどく疲れてはいても充足感でいっぱいだった。
たまにはがっつり歩きもいいな。なんて思っていた。



檜洞丸へ登り返してる途中
『このルートの日帰りは二度とやらない』
とずっと思っていたのに
大倉で車をピックアップして帰路についてる頃には

『次は逆ルートで歩いてみよう』

と考える懲りない私であった。


つらい。。。と思ったことも
終わってしまうと喜びに変わるのが山歩きなのかもしれないな。



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おしまい…♪





by mt_kawamin | 2016-06-04 20:02 | 山登り