紅葉と草紅葉の尾瀬へ Ⅲ
朝靄が流れる 早朝の中田代
紅葉と草紅葉の尾瀬へ Ⅰはこちらから♪
紅葉と草紅葉の尾瀬へ Ⅱはこちらから♪
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10月6日(日)
まだ真っ暗な3時半起床
高校生山岳部員達は既に撤営完了して出発するところだった。
君たちはエライッッ!!
心の中で拍手をして送り出す
私たちも負けじと?ササッと朝食を済ませ 撤営を始めたが
相変わらず段取り悪い私がモタモタして
出発したのは結局4時50分
見晴地区の山小屋群から下田代の木道へ
下田代の木道まで進み 振り返ると
小屋に灯る明りがぼんやりと光っている
そして燧ケ岳の向こう側がうっすら明るい藍色へと
日の出前までに竜宮には着かないと・・・
大急ぎで歩いて竜宮小屋を過ぎ
竜宮十字路の辺りで振り返ると 夜明けはもう近い
今回私がどうしても見たかった風景
それはヨッピ吊橋から牛首分岐の間にある 池塘越しに見る日の出だった
相方は竜宮辺りの池塘から見れるある現象らしかった・・・
こういう時、2人の意見合わないって困る
一人で先へ行ってもいいけど、夜明け直後は熊の目撃情報多いって言うし・・・
しかも・・・
竜宮の池塘の 藍色の世界もカメラにおさめたい・・・
ちょっぴり諦め気分でひとしきりレンズをあちこちに向けヨッピ吊橋方面へと急ぐ
ヨッピ吊橋まであと半分位・・・と歩いた木道で
山の向こう側が輝きだした
周りも次第に明るくなり 尾瀬ヶ原が朝の光に包まれる
なんて幻想的で美しい瞬間なんだろう?
山裾は白いヴェールをまとい
池塘の水面は静かに辺りの木々を映し出す
その一瞬を見逃すまい・・・と
夢中でシャッターを切るワタシ
山の神様に感謝*
ところで・・・うちの相方の見たかった現象
それは 白い虹 だ
尾瀬の早朝で見られると言う
ヨッピ吊橋への分岐に着く前から 相方は薄っすら見える!って言うけど
私にはさっぱり
見える気がしてるだけなんじゃないの?
なんて・・・そっけない返事をしてた・・・そう。この日見られるとは思ってなかったから
ん???
あれれ???
薄っすら見えていた白いアーチ状のもの
時間が経つに従い陽の光が降り注げば それははっきりしたものへと・・・
わぁぁ・・・ 白い虹だ
後から知ったんだけれど、ナニコ◎珍百景でも取り上げられてたらしいですね。
あと、NHKの日本風土記でも流れたそうで。
勿論、尾瀬の本などには載っております。
※ 白い虹
虹は空気中の水滴に太陽光が当って出来る。水滴がプリズムの役割をする為に7色に見えるのだが、水滴が小さいと色が分かれずに白い虹に見える
尾瀬では湿原に立ち込めた霧に朝陽が当たったときに、白い虹を観察出来る事がある。
霧を作り出しているとても小さな水滴によってこの虹が見られることが多いので、「霧虹」とも呼ばれている。
山と渓谷別冊 尾瀬ブック2010より
さて・・・今度は私の番
池塘越しに燧ケ岳とお日様を・・・勿論日の出じゃぁないけれど。
東を振り返ると光のシャワーが
池塘と朝陽
日の出直後の絵ではないけれど それでも充分に
ううん。。。充分すぎるほど美しいね
ゆらゆら揺れる池塘の水面
白い帯になっている朝靄は
まるで巨大なバキュームで吸われてるかの様に
どんどん流れていく
それは湿原の上を走り
木道の上を流れ
やがて山の向こうへと消えていった
さぁ 歩こう
牛首分岐までくると、静かだった今までのルートとは変わって
早朝だというのに木道を歩く沢山の登山者に会う
見慣れた風景を切り取りながら歩いていく
山ノ鼻へ着くと、更にそれまで以上の人で賑わっている
私たちはトイレ休憩だけして出発
鳩待峠には9時少し前に到着する
見晴のテン場で摂った朝食が早い時間だったので ここでお昼?朝?ご飯の大休憩
食事が終わったら出発だ。
ここ、鳩待峠が終点ではなく、これからアヤメ平を経て富士見下まで歩かなきゃならないからだ
鳩待山荘の裏側よりアヤメ平方面へと登り始める
連日の雨で登山道はかなり荒れ気味だが
空を見上げると
青空に紅葉した葉が映え ドロドロの足元なんて気にならなくなる
尤も 朝からずっと顔を見せてた青空も
この写真を最後に この後どっぷりグレーな空へ・・・
真紅の絨毯は楓製
ずっと鮮やかな色彩の中にいたが
横田代に着いて見れば・・・
大好きな横田代も どんよりガスの中
勿論 アヤメ平も
晴れていれば池塘の向こうには燧ケ岳を望むことが出来るんだけど・・・
まぁ、それはまた来年のお楽しみにとっておこう
さて・・・ あとは富士見小屋を経て
森の紅葉を楽しみながら歩いて 車のある富士見下へ戻るだけだ
PM2:00 富士見下 着
2泊3日で尾瀬を巡る 時間を贅沢に使った紅葉と草紅葉の尾瀬歩き
三日間で青空を仰ぐことが出来たのは最終日の早朝からの約4時間ほど
あとはグレーの世界か霧雨降る もやっとした景色だった
それでもこれだけの充実感が残るのは 尾瀬に雨が似合うこと
雨が降ったおかげでより美しい風景に出会えたこと
何よりも 最も秋の尾瀬らしい 幻想的でドラマチックな風景に立ち会えたことだ
毎回違う景色で飽きることなく そして更に尾瀬に惹かれていくんだろうな
そしてまた来年も・・・
おしまい
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by mt_kawamin
| 2013-10-26 22:16
| 山登り