つながる*noyama

焼岳*上高地へ  -part 2-

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明神岳、前穂高岳、霞沢岳
遠くには常念から大天井岳への稜線も
目の前の谷あいには梓川の清流が
雪の間を悠々と流れているのが容易く想像できる









もうここまででもいいかなぁ
この景色見られれば私はもう満足だよ




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パフッパフッ

ポフッポフッ




一歩足を進めるたびに
その場でゴロゴロしたいくらい
柔らかな雪と
心地よい陽射し



登山ではなく 最早ただの雪遊び
いやいや
いいんだよ、それで
だって雪と戯れたくてここへやってきた
ここまで登ってきたんだから




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広い雪原でここまででいい
とは思ったものの
南峰は手の届きそうなところにある
せっかくここここまで来たんだもの
山頂から笠ヶ岳を眺めたい
槍ヶ岳や穂高も眺めたい
遠くには黒部五郎だって望めるかもしれない。
尤も目の前に見えててもかなり遠いのはわかっている





そんな想いと
もう歩かないでのんびりしたい気持ちに一人揺れ動される。
BCのグループが北峰へ向かって行くのをチラリと見ながら
私たちは南峰へと向かう
無雪期は立ち入り禁止の南峰も
積雪期だけは尾根伝いに歩くことが許されるのだ





それにしても眠い。
ラッセルと踏み抜きで消耗した体力と
助手席で堂々と寝てきたにもかかわらず
寝不足でフラフラ
眠くてたまんない。




つい瞼を閉じてしまう
友人との距離もどんどんひらいていく
待ってぇ・・・
心の声は届くわけもないのである





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一つ、緩やかに超えたところで合流できて
ほっと一息つく



この先どうしよう
どうしようか
この辺りまでにしとこうか


うんうん、もうここでいい
だって
眠くてたまんないんだもん。
私はもう上まで歩けない。
でも少し登れば南峰への肩なのもわかっているけど…。


そんな会話のあと
友人がポツリと言う。



ちょっとその辺りまで行ってこようかな


いいよ、待ってるから行ってきて




雪煙が渦巻く方へ
友が遠くなっていく





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上へ上へと遠く離れて行く姿を見送る
蒼穹の彼方へ吸い込まれるように見えなくなっていった。





それからどれくらい経ったろうか
ちょっとそこまでって言ったのに遅いなぁ
30分以上経ったろうか
どこまで行ったんだろう?



じっと待っていると、さすがに身体が冷えきってしまう
あの肩の辺りまで行けば会えるだろ
友人の残した跡をトレースしていく




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歩きながら友の名前を呼んでみるが返事はない
当たり前だ
登れば登るほど風は強くなり
わたしの声なんて掻き消されてしまうのだから。






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肩へ着くと誰もいなかった。
友人の残したトレースを探してみるものの
風のおかげで何も残っていない。
真っ直ぐ行ったのか
左の方向へ行ったのか
恐らく普通に考えれば右手の斜面を登り、南峰のピークを目指すんだろう
けれど、それが間違いだったとしたら
お互いがお互いを探すことになってそれはダメだ。



ピークに向かって呼んでみるが
やはり返事はない
勿論、姿も見えない。




どうしよう
もしかしたら違うルートで下りてしまったとか?
いや、それは考えられない
ここで会えないとなると、取り敢えず
さっき別れた場所まで戻るしかないだろう。



折角登ってきたがまた下りていく
さっき別れた場所まで戻り、北峰と南峰の間の斜面を探す
南峰のピークを探す
遠すぎてわかる筈もない。



やっぱりどう考えても上にいるはずだ
もしかして、どこかで転んで動けなくなってたりして?
そんな良くない想像が頭の中を駆け巡っていく


やっぱり上に行こう
もう一度確かめよう。



再び登る。
さっきまで眠くて歩けない
なんて泣き言言っていたのに
火事場のバカ力とでも言うのだろうか
眠気も吹っ飛び雪に足を取られながらも登っていく




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カメラの望遠を最大にして
辺りを探してみるがやっぱり見えない
ここから先は進むことは出来ないから
やっぱり下りよう



もし
遭難してたらどうしよう
怪我してたらどうしよう
泣きたくなってきたけど
泣いたところで何も変わりゃしない
どうしたらいいんだ。




山のtheoryに反して
離れて行動したことを心から悔やんだ







by mt_kawamin | 2017-03-31 19:00 | 山登り | Comments(2)
Commented by zbjsower at 2017-04-02 12:43
わあ~
これは心細いですね;;
まさかの展開に驚いてしまいました@@
自然の美しさはとてつもなく素晴らしいけど、時には残酷なまでに無慈悲なところもありますよね・・・
Commented by mt_kawamin at 2017-04-02 19:01
*Hideさん


この時、本当にどうしていいのかわからなくて
もし、どこかで怪我していたら
生死に関わることなので真剣に悩んで悩んで
泣きそうだけど泣くわけにもいかないし
よく二往復も大急ぎで登れたなぁと今頃感心です笑

そしてネタバレは次章にて…
ってもうご存知ですね(*´︶`*)