つながる*noyama

天空の宿へ part1 -船窪小屋-


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一度は訪れてみたいと
ぼんやり思っていた山小屋があった


そこは心づくしのおもてなしと小屋の食事が評判の
囲炉裏とランプの灯る、天空の宿




   船窪小屋へ行かない?



初夏のある日、
赤岳を一緒に歩いたMちゃんから一通のメールが届いた
8/13-14を船窪小屋で過ごさないか?というものだった
いつもテント泊ばかりの私は自分で計画する際
テント場のない小屋があると
そのルートを行程にいれるのに 二の足を踏んでしまう
でも誘われたのなら話は違う
しかも小屋に泊まるのが目的なのだから
棚からぼた餅とでも言おうか
行かない手はない。


  
話を貰った時点では行程の1日が出勤になっていて都合がつかなかったのだが
運良く同僚が休みを交代してくれることになり
ご一緒させてもらうことが叶ったのだ
これはきっといいことがありそう



赤岳を一緒に歩いたMちゃんとHさん
そしてshimaちゃんとわたしとの四人で船窪小屋を訪れることになった











8/13 sat


安曇野ICを降り 安曇野在住のMちゃんとHさんと合流し
Hさんの車に先導してもらいながら
深夜の真っ暗な県道を一路、七倉温泉まで向かう


七倉温泉へ着くと思いの外駐車している車が多かったが
運良く空いてるスペースに2台駐車することができた
寝袋を広げ 寝る準備をしていると



   今夜はペルセウス座流星群が見れるらしいよ


とMちゃんが言う
この日はペルセウス座流星群の極大日だったらしい
夜空を見上げると、なるほど
まるで宝石箱をひっくり返したような煌びやかな星空が広がっている
こんなに沢山の星を見るのなんていつ以来だろう?

時折 スッ・・・
と星屑の中を流星が幾つも流れていった


   
寝袋に包まれながらshimaちゃんと幾つか言葉を交わしてる内に
花より団子 星より睡眠の私は
知らず知らずの内に夢の世界へと誘われていった






am 5:00 起床


すっかり外は明るい
空も青い
いい1日になりそうだ


今日の行程はCT6時間だが
船窪小屋まで歩けばいいのでゆっくり準備する




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am 6:27 七倉登山総合案内所




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七倉山荘のすぐ手前にあるタクシー乗り場には
既に多くの登山者が並んでいる。

    裏銀座かぁ…いいなぁ


独りごちてゲートを走り去るタクシーを見送る。
トンネルを真っ直ぐ進めば裏銀座への縦走路
烏帽子岳への登山口、高瀬ダムへ行く。
私たちは橋を渡りきったところを右へ折れる
七倉岳、船窪小屋方面へと進む




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歩き始めは平坦な林道を七倉沢に沿うように歩き
道標通りに左へ折れるといよいよ登山道へ
ここからは標高差1,120mほど登るまでは
延々と樹林帯が続くらしい




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Hさんが船窪小屋までの登山道について色々教えてくださる。


   標高140mごとに1/10から10/10まであります


とか
倒木の処理で大変だった話や落ち葉掃きの話など。
そう、Hさんはボランティアで
船窪小屋のお手伝いや登山道の整備などをされてる方なのだ
こういった皆さんのご苦労の上で私たちは安全に歩くことが出来る
本当に頭が下がる思いだ





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登り始めから急登で汗が噴き出す







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登山道は梯子、鉄板の橋、
そして細かく織られたような木の根っこが絡まる道がつづく


樹林帯の中は風が通らないので
急登をこなしていると汗が噴き出してくるが
立ち止まるとヒンヤリする空気に包まれる





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そう言えば船窪小屋行きが決まった時

「急登なので荷物は極力軽くしてきてください」

とHさんに言われていた。
船窪小屋にはテン場もあるのだが
この急登をテン泊装備で歩くのは中々大変だろうと思いながら歩いていた



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ひとしきり急登を登ったところで
広く平らな場所で休憩することに



寝不足で歩くと、歩きながらも眠くなることが時々ある
眺望の効かない樹林帯の中では特にだ
ここに着くまでの間
眠くて仕方がなかった私はここで少し仮眠させてもらうことにした


恐らく数十分経っていたのだろう
寝たのか?
ただ目を瞑っていただけなのか自分でもよくわからないけれど
少しスッキリした気がする



    お待たせしました



その声を合図にみんなザックを背負い
ベルトをキュッと締める


歩き始めるとすぐ急登がやってきた




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取り付きからここまで急登を歩いてきたつもりでいたが
本当の急登はここが始まりらしい
胸突き八丁とはよく聞くが、ここは胸突ではなく


    鼻突き八丁


鼻がつくほどの勾配って一体…汗



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ほぼ垂直に掛けられた梯子…梯子…梯子…
もうどれだけ登ったろうか

    ふぅ…

と深呼吸する
斜面を巻きながらゆるいトレイルを延々と歩くより
直登で梯子や鎖を使って登る方が高度を稼げるので私は好きだけれど
出来れば眺望が欲しいなぁと思うのが正直なところである



繰り返すこと約20分


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鼻突き八丁、終わったー
あとは小屋までの登りをゆるゆると歩くだけだ。




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鼻突き八丁も過ぎ、やっと頭上が開けたと思ったのに
登り始めたころの青空は一体どこへ?





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いつの間にか頭上も周りも
すっかり白いカーテンに閉ざされてしまっていた






am 11:39 天狗の庭





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ここ、天狗の庭からは
餓鬼岳から燕、槍ヶ岳への表銀座縦走路
更に槍ヶ岳から西へと繋ぐ西鎌尾根方面までがドーーーン
と眺望が眺められる筈なのだが
生憎この通りの眺望無し

ここで少しエナジーチャージをして
小屋までの1時間ほど 気持ちを上げてトレイルを楽しもう




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主尾根に飛び出すとそれだけで気持ちが変わる
たとえ周りが真っ白で眺望なかったとしても
その上

   もうすぐお花畑

なんて書いてあるんだもの
どんな花が咲いてるのかワクドキで
心なしか足元もさっきより軽くなった気がする




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神様の粋な計らいなのか
白いカーテンがスルスルっとひかれ
青空が広がってくる


     わぁぁーっ



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花で有名な山の規模には敵わないものの
トレイルの両側には
夏の終わりを告げる果穂と
秋が近いことを知らせるお花畑が広がっていた




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目まぐるしく変わっていく空の色と
お花に夢中で歩いていると
ハイマツと岳樺に囲まれる斜面へと飛び出す
それはもう小屋が近いことを知らせる風景だ



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五色のタルチョがたなびく
青い屋根が見える





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    おかえり〜




私たちを迎える鐘が鳴る

登山者を迎える時、見送る時
必ず小屋の人が鐘を鳴らして迎え、見送るのだ。
その温かい歓迎に胸が熱くなる。




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Mちゃんはよっぽど感動したのか
目を潤ませてここへ着いたことを心から喜んでいる様子だった








by mt_kawamin | 2016-09-15 19:00 | 山登り | Comments(0)