谷川連峰 プチ馬蹄形縦走 -part5-
埋もれながら高度を下げていく
笹平と呼ばれる最低鞍部から
小ピークを登り返すと
いよいよ という感じで
目の前には渦を巻くような稜線が延びていた
山肌はたくさんのミドリ色で埋め尽くされ
その美しさは遠くから眺めているだけでも
手に取るようにわかるのである。
まだ進みたくない
少し進んでは立ち止まり
また歩いては立ち止まる
このトレイルに終わりが来るのが怖くて
この風景の中に溶けてしまいたくて
いつもの何倍も時間をかけて歩んでいく。
今ここで見た風景を
深く心に刻みながら…。
花に埋もれるようにして
武能岳の頂へと歩んでいく
あっ…
青空だよ
武能岳へ進む道と
歩んできた
茂倉からの道
ずっと心の奥底にあった
ズキズキと鈍い痛みを持つ古傷のようなものは
しらぬ間になくなっていた。
どんなに腕のいいDrよりも
山の方が腕がいいらしい。
今、ここにいることの幸せだけを素直に喜んでいた。
武能岳のピークまで
あと一登り
夏空が行く先に広がっている
気まぐれな夏の太陽も
いよいよ私達の味方をする気になったのか
眩しい光を放ち始めた。
part 6へつづく…。*:゚
by mt_kawamin
| 2016-08-19 19:05
| 山登り